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さんしょの実コラム

第1回 消費者の時代

 情報技術の進展は、国や地域を超えた企業と消費者(個客)との直接のやりとりを可能し電子商取引が物凄い勢いで拡大しました。今は、ブログやツイッターのような新しいICT( Information Communication Technology )ツールでの一人の消費者の呟きが瞬時に全世界を駆け巡り、企業がコントールの及ばないところで常に膨大な量の消費者間の口コミがネット上でやりとりされています。

 企業にとってプラスの口コミであった場合の売り上げ増につながる好影響に比べ、マイナスの口コミ影響はその数倍も大きくなると云われていますが、皆さんもご自身の経験上、これは納得できるのではないでしょうか。

 米国では、‘Satisfied Customers Tell Three Friends, Angry Customers Tell 3,000’(Pete Blackshaw 2008)と云った衝撃的なタイトルが付けられているレポートまで現れています。

そういった意味で、現代は、まさに‘個人’一人一人が大きな影響を企業や消費社会に与えることのできる‘消費者の時代’と云えます。


 こうした国や地域を超えた情報ネットワーク社会への構造や産業変化の大きなうねりの中で、私たちを取り巻く消費生活の仕組みや消費行動がどんな風に変化してきているのか、またその最前線の企業の顧客接点現場で起こっているさまざまな今日的な事象や問題がどんなことなのかを具体的に取り上げながら、これからの‘消費者の時代’の消費者と企業とのWin-Winの関係や企業の消費者対応を肩肘張らずに考えていこうと思います。


 通販の売上が百貨店の総売り上げを超えたことは記憶に新しいですが、こうした消費生活の変化の現実を象徴する色々な調査結果や統計データが矢継ぎ早に発表されています。

 その中でも、3月にとても興味深い調査結果が経済産業省絡みで二つ発表になりました。一つは、経済産業省からの委託事業として業界横断での日本のサービス産業の顧客満足を測る物差しとしてサービス産業生産性協議会で開発された、日本版顧客満足度指数(JCSJ:Japanese Customer Satisfaction Index )の初めての結果発表です。

 もうひとつは、JCSIの調査データも一部使用している経済産業省が直接実施した消費者購買動向調査で、こちらは、‘リーマンショック以降の日本の消費者の実像’と題して3月21日に公表されたものです。 この二つの結果要旨とその感想を初回のコラムとして綴ります。


 JCSIは、リリース翌日の3月17日付の主要全国紙でも取り上げられたので記憶にある方も多いとおもいまますが、メディアでは、小売り・交通・レジャー・金融等の日本のサービス業29業種で、売上高の高い291社を抽出し、高い頻度で利用している消費者300人以上に調査をかけた結果の上位50社が発表されたと云う、利用者評価ランキング結果という意味合いで取り上げられました。

 JCSIが顧客満足やロイヤリティを測定する客観的な物差しとして本当に有用かどうかやその結果の使い方を、顧客接点現場や市場で発生している問題事象とぶつけながらこれから詳しく視ていかないといけませんが、 公表された上位50社の内、2割以上にあたる11社が通信販売業界であり、その内9社はカタログ通販ではなく、‘ネット通販’だったことは時代を映す象徴的な結果といえるのではないでしょうか。

 次回からはこの物差し(モデル)のそもそもの開発目的や特長にも入っていきます。


 もうひとつの‘リーマンショック以降の日本の消費者の実像’と題した動向調査の結果要旨として、日本の消費者特に、女性と高齢者の非価格要素へのこだわりの強さを一番の特長としてあげています。不況を反映した価格や貯蓄先行は必ずしも当たっておらず、生活を楽しむことへの消費意欲はあり、その際の購買要素としては、サービスや提供情報の品質を重視していると、要約しています。

 また、この調査はユーザーへの定量・定性調査の他に、250社の企業への電話調査も実施しており、ユーザーの消費動向と提供する企業サイドのギャップも見れる内容になっています。

 上記の結果サマリーは、これからの少子高齢化、デフレ社会の中での消費経済の活性化に向けた突破口を消費者の実像からこじ開けていきたいとする調査目的や調査仮説に導出された結果とも云えますが、現在の日本の消費や潜在シーズの特長をかなり如実に反映していると感じていますし、私の捉えている着目点とも重なる部分や問題領域とも密接に関係しています。

 こちらの調査結果や内容も、消費の牽引層として期待されている女性やシニア層を中心に、これからのボーダレスなネットワークが社会インフラとなって行く中での様々な問題事象を私の視点から具体的に絡ませながら感じたことを綴っていきます。


 どちらもHP Topのニュース(お知らせ)でも紹介しています。詳細内容や調査結果をダウンロードできるアドレスをリンクしていますので、興味のある方は関連詳細資料をダウンロードして読んでみてください。

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